半夏生とタコ

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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7月1日は半夏生という雑節のひとつである。

 

夏至から11日目を半夏生とするようだが、近年は天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日とされ、ほぼ7月1日か2日である。

 

天候が不順で蒸し蒸しした梅雨の真っただ中、農家では半夏生までにすべての田植えを終える、畑仕事を終える目安にしていたようだ。

薬草のハンゲ類のカラスビシャクが生えるころ。
半夏湯(はんげとう)などの漢方薬になり鎮吐作用、つわりの痛み止め、コレステロールの吸収抑制効果がある。
かつては身近で大事な生薬として重宝されたに違いない。

 

体調も崩しやすいこの時期、滋養も兼ねて半夏生にタコを食べるという風習が関西であるそうだ。
広げたタコの足のように田圃の隅々にまで水が行き渡るようにとの願いも込められているという。

ほかには讃岐ではうどんを食べ、奈良では小麦を混ぜた餅をきな粉をつけて食べ、長野では芋汁、福井では焼鯖と各地で様々。
多くは田植えを終えたお祝いと感謝のお供えでもある。

ということなので、タコを買ってきた。
たいていのスーパーも「半夏生にはタコを!」のキャンペーンを張っているので買いそびれることはない。

やはり明石のタコが一番だが、手頃なモータリニアス産(最近はモロッコ産という表示を見なくなった)にする。

 

タコは刺身とカルパッチョ、たこ焼、明石焼きタコライスにする。
7月に入るまで食べるのを我慢していた西瓜も用意した。

窓を開けて風を通してエアコンを止め、冷凍庫でキンと冷やしたグラスにビールを注ぎ、タンクトップに半ズボン、左手に団扇、右手にジョッキ! 

夏満喫の第一章の始まりである。