府中くらやみ祭

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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毎年GWに府中で開かれる夜祭がくらやみ祭である。

 

京都宇治市の県(あがた)神社と並ぶ日本を代表する夜祭である。
東京三大祭が始まる前の前哨戦であり、夏祭りの先陣を切って行われる感がある。

 

というわけで2018年5月5日に出かけてみた。

府中駅を出て左に伸びた商店街の仲見世を行くと甲州街道沿いに何とも広い大国魂(おおくにたま)神社に着く。

府中くらやみ祭の写真

府中くらやみ祭



夕暮れ前にはすでに大勢の関係者や見物客でごった返している。

境内の中は巨大なテントと屋台の群れが迷路のように立ち並び、すごい人混み。
植木市もあり規模としては靖国神社例大祭並である。

 

イベントとしては3日のお囃子の競演と競馬式、4日の子供神輿に万燈大会、太鼓の競演に山車行列と続き、そしてメインである5日の太鼓送り込み、神輿渡御、やぶさめ式などがある。
6日は神輿還御である。

 

くらやみ祭の名の通り、盛り上がるのは日暮れてからである。

府中くらやみ祭の写真

 

品川からやってきた汐盛講が参拝のために到着後動座祭という神事と神楽舞が奉納されると午後六時頃に花火の合図で六張りの大太鼓が打ち鳴らされ、八基の神輿が担ぎ出される神輿渡御で祭はピークを迎える。

府中くらやみ祭の写真

 

他の祭りと違って目を引くのは六張りの大太鼓を打ち鳴らしながら町を練り歩く様である。
太鼓の上に二、三人が立っていられるほどの大きさと、数の多さは圧巻である。

府中くらやみ祭の太鼓の写真

府中くらやみ祭

府中くらやみ祭の太鼓の写真


一番大きな太鼓は直径が2mあるという。
これだけでも見に行く価値がある。

 

午後九時頃には神輿も太鼓も本殿に戻る。
私はその後も屋台で煮込みや焼き魚などをつつきつつビールを飲んで時間を過ごし、午後十時半ごろに行われる「やぶさめ式」なるものを待つ。

流鏑馬は何度か見たことがあるが果たして真夜中の流鏑馬とはいったい? すると甲州街道を一頭の馬がやってきた。

乗馬しているのはお年を召した流鏑馬射手である。
古式ゆかしい衣装を着て、人だかりの中を何とも小さな!子供のおもちゃのような弓で馬の近くに控えていた三人がそれぞれ持った板に矢を放つ!

すべて命中! 

 

さもありなん。
矢と板の距離はおよそ50cmである。

うーん。
天下の甲州街道の一角に馬がいるだけで良しとしよう。