大倉山観梅会
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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かなり前に東横線大倉山には五年ほど住んでいたことがある。
その時から駅近くの小山に梅林があることは知っていたが、一度も見に行ったことはなかった。
そこで2017年、はじめてその大倉山梅林で行われる「大倉山観梅会」に出かけてみた。
駅前で係の人から新聞をもらう。
なんと日刊スポーツと提携した「大倉山観梅会」の前年の様子を記事にしたものである。
本格的な作りであるし面白い試みだ。
駅の脇の坂道を七、八分昇っていくと、大倉山公園があり、その先を歩いていると賑やかな屋台が連なり始める。
目的地は山の谷のようなところにあり、隠れ里のように梅林が作られている。
森の中に突如出現した桃源郷ならぬ梅林郷である。
第二十九回目になる大倉山観梅会は2月18日(土)・19日(日)の二日間で、なんと六万人が見に来るという。
梅の木は二百本と少ない気がするが種類は三十二種もあり、まるで梅の図鑑を見ているような楽しさがある。
訪れた家族連れ、カップルたちが梅の木の下にシートを敷いて和やかにお弁当を食べている様は、実はあまり見られない珍しい光景である。
大きな梅林ほど、梅は梅酒や梅干し用の畑であるため梅の木の下でのんびり、というわけにはいかない。
どちらかというと歩き見が主である。
湯島天満宮も梅の下にビニールシートを敷いて、というのは無理で、せいぜいベンチに座っての観梅だ。
その点、大倉山は憩いの場に徹している。
そのことに驚いたのである。
構えたところがなく、商売でもない。
そこが実に居心地がいいのだ。
会場には地元に近い高木学園女子高等学校茶道部による野点が行われていたので迷わず列に並ぶ。
薄茶にお饅頭がついて三百円。
真赤な野点傘や毛氈を敷いた席は大人気。
お点前さんや案内役の女子高生はもちろん着物姿である。
立派にしつらえられた舞台では地元の小学生など子供たちの獅子舞やソーラン、和太鼓、琉球舞踊などが披露され、実に和気あいあいであたたかい拍手と笑顔に包まれていた。
出店には横浜らしいおしゃれな料理や小物の店があり、全体としてとても礼儀正しく品のいいイベントである。
帰りに本部で青シソとはつか大根と小カブの種をいただいた。
3月下旬になったら青シソをベランダで育ててみよう。
この日は子供中心のイベントだったが翌19日(日)は地元の大人の方々による三曲、日本舞踊、ソーラン、和太鼓などが披露された。