一葉忌 11月23日(2019年)

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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樋口一葉の命日である。

作家活動期間は「大つごもり」から「ゆく雲」「たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」「裏紫」「われから」までの十一作品、一年二か月、その間に書かれた傑作の数々から、人々は奇跡の十四カ月と呼ぶ。
1896年11月23日肺結核により死亡。
わずか二十四歳六か月の生涯だった。

葬儀は身内だけで11月25日、築地本願寺で行われた。

 

「昨日から我が家にはお金というものは一銭もない」と貧窮にあえいだ一葉であったが、百年以上経って、自身が日本国の五千円札の肖像になったのは皮肉である。
「ああ、この五千円があったなら」
一葉の恨めしそうな声が聞こえる。

 

一葉が五年間住んでいた文京区本郷の東大赤門前にある法真寺で法要と朗読、講演が行われ一葉饅頭が配られる。
入場は文京一葉会の会員のみだが、当日入会可能。
境内にある一葉会館はこの日は入場無料。

境内には洋風建築があることも手伝って、実に女性好みの景観であり、一葉の像が所々に配してあり、改めてその早世が惜しまれる。

東大赤門

東大赤門

一葉饅頭

一葉饅頭

一葉の像

一葉の像

一葉忌

一葉忌