重陽の節句・菊祭・菊被綿 大宮八幡 9月9日~17日(2018年)
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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陰陽道では奇数が陽、つまり吉、数字で最大の九が重なる重陽の節句はかなり重要な気がするが、江戸東京ではこれといったイベントが見られない。
盛り上がりを見せるのは重陽の節句の別名で菊の節句のほう。
菊の愛好家を中心に菊人形の展示や丹精込めた菊の品評会で優勝した作品が展示される菊祭が盛んで、重陽の節句はすっかり菊祭に取って代わられたようだ。
それにしても見事な大輪や厚物など作者が丹精込めた、いや、命をかけて育てた菊の作品は素晴らしい。
重陽の節句の行事が東京では見当たらないと思っていたら、平成十年から大宮八幡で宮中行事である菊被綿(きくのきせわた)という行事が再現されるようになった。
これは菊の花に赤、白、の布で包んで菊の香を移し翌日朝露で湿ったその布で顔をぬぐって若さを保つというもの。
重陽の宴では天皇陛下が群臣に菊酒をふるまうのだそうだ。
江戸東京では菊祭りだが、九州北部での重陽の節句は、“お九んち”として独自の発展を見せているというのが有力な説。
九月九日の九を重要なキーワードとしての祭りで、旧暦九月に博多おくんち、長崎くんち、唐津くんちとして地元では最大の祭りとなる。
私のような門外漢は菊人形や菊の展示会で作品をながめたあと、家に帰って日本酒に菊の花を浮かべて飲む菊花酒をいただくことで重陽の節句としている。
菊の方も一か月早く育てられて大変だろうが。