松茸

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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先月、8月に入ったばかりだというのにスーパーマーケットに松茸が並び始めていた。

いくらなんでも早いのではと思って、はたと気づいた。
近年の旧暦ばやりでさまざまな行事や食材が旧暦の月名のまま新暦に移行していっている流れで、ついに松茸まで旧暦八月ではなく新暦8月に登場させたのである。
もちろん産地は中国やカナダである。

茶道の世界では季節の先取りが年中行われている。
先取り具合はほぼ一節気ほど。
お菓子や着物の柄などだが、どちらも人口の物だからいかようにでもなる。
しかし、ついにというか松茸にまで手を出すとは…。
しかも一か月以上早く。
やめてほしいが、これは料亭や小料理屋の要望なのだろうか?

楽しみは早く、長く、はけっこうだが、旬を食べる、季節を感じる楽しみが損なわれる。
そう思うのだが。

 

ともかく、8月に出回る松茸を横目でにらみつつ、旧暦八月になるまで待ち、十日を過ぎて松茸を買いに行った。
それにしても松茸の値段は悩ましい。
何しろ岩手産松茸一パック二本入り三万八千円!
カナダ産松茸一パック四千円!
中国産松茸一パック千円!

あまりに値段の幅がありすぎる。
まあここは何事も中庸を好む日本人らしく、賢明な選択をさせていただいたとだけ書き記しておく。

 

さて、この待ちに待った晴れの日に作るのはもちろん松茸づくしのフルコースである。

まずは松茸の土瓶蒸し。
そして松茸御飯は欠かせない。
続いて焼き松茸、松茸とキノコのホイル焼き、松茸の茶碗蒸し、松茸と鱧の鍋、鍋の〆にうどんを入れる。

 

う~ん、におい松茸とはよく言ったもの、この香りは唯一無二、代わりがきかない。
年に一度の贅沢である。

ごちそうさま。

 

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松茸料理