桃園の誓い

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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桃の花が満開に咲く庭で、三人の男が杯を掲げて義兄弟の契りを結ぶ。

「我ら生まれた時は違えども、願わくば同年同月同日に死なん」

桃園の誓い・連環画の写真

桃園の誓い・連環画

 三人とは劉備玄徳、関羽雲長、張飛翼徳、「三国志」でおなじみのメンバーである。
三人は劉備二十八歳、関羽二十七歳、張飛二十一歳だったという。
三人は生涯変わらぬ友情を持ち続けた。

 

無名の浪人であった三人が志をひとつにして夢に突き進み中国を三分する国家のひとつ蜀を建国する。
しかし中国統一という目標を前に、志半ばのまま、死んでいく。

 

男は篤い友情にあこがれる。

多くの男たちは年老いてかつての友情が薄らぎ消えてしまうことを経験する。
だからこそ死ぬまで続く友情を持ち続けた男たちの姿に羨望する。
あこがれであり嫉妬でもある。

 

千八百年前の中国で躍動した義兄弟という三本の矢の物語は今でも我々を魅了してやまない。
その冒険の旅はすべて桃園の誓いから始まったのである。