人麿影供九百年 歌仙と古筆展 出光美術館 6月16日~7月22日(2018年)
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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この展覧会は歌仙の筆頭とされる柿本人麿(かきのもとのひとまろ・人麻呂とも表記する)の歌仙絵が歌会の床に掛けられ影供されるようになってから九百年ということを記念しての歌仙絵や名歌名筆を集めたものである。
こうした本格的な和の展覧会は美術館でなくては見ることができない。
東京ではこの出光美術館や三井記念美術館、五島美術館、根津美術館、サントリー美術館、山種美術館といった財閥系のコレクションを中心に展示されることが多い。
それぞれ国宝も数多く所蔵している美術館であるが、そんな貴重美術品があくまで個人所有・会社所蔵の物であって国が管理していないという不安がある。
日本には国宝を網羅している美術館がない。
フランス・パリのルーブル美術館、スペイン・マドリッドのプラド美術館、ロシア・サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館、英国・ロンドンの大英博物館に匹敵するものが首都東京にないのはいつも残念に思う。
最も近い形態の美術館が東京上野の東京国立博物館であるが、美術ファンから見てもまだまだ物足りなく、国の威信をかけて運営しているはずなのになぜか認知度も低い。
財閥系は民間の美術館なのでどうしても入場料が高くなるのも問題である。
大英博物館はじめ英国の国営美術館はすべて無料で公開しているのとは雲泥の差である。
観光都市東京としても絶対的に集客の目玉になるのは国宝を網羅した国立美術館であるのは明らかだ。
ぜひ実現してほしい。
勝手な希望をいえば財閥系の美術館は合体して国に管理してもらいたいのである。
以下は私の夢である。
常設の広大な国立美術館である。
美術館は七つの棟に分かれている。
各棟には茶道と茶道具の世界、仏像の世界、書と和歌と篆刻の世界、浮世絵の世界、日本画と琳派の世界、漆器鉄器の世界、染と着物の世界の名品が並ぶ。
各棟を結ぶ廊下の両壁は国宝の襖と屏風が並び、天井にはもちろん国宝の天井画が飾られる。
七つの棟の中心には日本庭園があって、かつ国宝の茶室と能舞台を移築できたら最高である。
各財閥系美術館を訪れるたび、この思いは強くなるのだ。
もちろん料金は都営庭園並の格安で、中学生以下と六十歳以上は無料で。
それなら毎日見に行けるし修学旅行の学生や世界中の観光客も押し寄せる。
そうなってほしい。
いやそうならなくてはいけない。
でも、私の生きているうちには…無理だろうなぁ。