神田祭(5月7日~15日)
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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黄金週間が終わってもお祭り気分は抜けない。
なにしろこれから六月中旬まで東京三大祭が順次開催されるのだから当然だ。
その先陣を切るのが江戸の総鎮守、神田明神(神田神社)で行われる神田祭。
祇園祭、大阪天神祭と並ぶ日本三大祭のひとつでもある。
神田といえば江戸っ子中の江戸っ子の聖地である。
かの有名な、「♪なんだ神田の明神下の~」の歌で知られる銭形平次の本拠地でもある。
講談「清水の次郎長」の中にも「三十石」として有名なシーンがあり神田が登場する。
森の石松が金毘羅様詣での帰り、大阪から三十石船に乗って一息入れていると、同乗の客たちに次郎長一家が褒められている。
石松が気を良くして見知らぬ旅人にバッテラ寿司と酒を差し出して話しかける。
「江戸っ子だってねぇ。寿司食いねぇ」
旅人は胸を張って答える。
「おう、神田の生まれよぉ」
神田の生まれはそれほど自慢で、この頃から大阪あたりでも聞こえた全国区の地名だったのだろう。
それほど有名な神田神社だが境内がかなり狭いため、祭りの当日はどこもかしこも人人人。
体が触れ合わずに歩ける余裕は全くなく、歩く方向すら決められているほど。
2015年は七日から鳳拝神輿還座祭、氏子町会神輿神霊入れ、神幸祭・神輿宮入、表千家献茶式・明神能と一週間の行事が続き、神田町内の全神輿が登場する十五日の例大祭がクライマックスとなる。
氏子らの「神田」とハッピに染め抜いた文字に粋だけではなく誇りすら感じる。
打ち晴れし神田祭の夜空かな 虚子