春土用丑の日

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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夏の土用丑の日ばかりに注目がいくが、春、秋、冬にも土用がある。

 

土用は四立(立春立夏立秋立冬)の前ほぼ十八日間を指し、その期間には必ず十二支が一回、または二回入る。
つまり土用の丑の日は各季節に必ず一回は回ってくるというわけだ。
ついでにいえば、四立の各前日(土用の最終日)はすべて節分となる。

 

土用とは何かというと、季節にはそれぞれ五行である木、火、金、水を当てはめているが、このままだと各季節が変わる際に異なる性質がつながってしまうため、クッション的に土という五行のひとつを当てはめたのである。
これを土曜用事と言い土用と呼ぶようになったとされる。

土が入ることで五行がすべて季節に入ることになる。
また五行のそれぞれの長さを均一にするため、各季節を五等分し、うち5分の4を木、火、金、水に、残りの5分の1を土にした。

そのため土用のみ各季節に分散されたが、四季の土用をすべて合わせると5分の4となり他の木、火、金、水と同じ長さになる。
また土用の間は土の気が盛んなため土地を掘り起こすといった作業は慎むようにしたようだ。

すべての土用期間中に土仕事ができないと支障をきたすため、土用の間日(まび)を設けてその日だけは例外としたという。

 

とはいえ土用に関してはやはり夏を指すことが多く、俳句でも夏の季語。
土用シジミや土用餅、土用卵に土用波、同じ土用でもすべて夏土用を指す言葉である。
圧倒的に他の土用が不利なのは否めない。

全国の鰻業界やスーパーマーケット、飲食店では四季すべての土用丑の日に鰻を食べてもらおうと宣伝活動に躍起である。
または2018年のように夏土用の間に丑の日が二回入ろうものなら、「土用二の丑にも鰻を食べよう」となる。

 

さて春の土用丑の日には鰻を食べようかと思ったが、あまりの高騰ぶりに尻尾を巻いて鰻屋さんから退散。

はてどうしたものかと考えて、回転寿司に直行。
鰻の握りを二皿食べて土用丑の日の鰻とした。

まあいいか。春土用だし。

 

 ほろほろと朝雨こぼす土用かな 子規

 

う~ん。
この句も夏土用だな。