狩猟期間終了とジビエ料理

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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11月15日から始まった狩猟解禁は翌年2月15日で終了する。

 

シベリアなどから渡ってきたカモ類や鷺、ヤマバトから雀やカラスまでの鳥類に、熊、猪、シカ、ウサギ、タヌキ、キツネなどの動物など合わせて四十八種類ほどが狩猟対象のようだ。

期間が終わると楽しみなのが、猟を趣味にする知人が催すジビエ料理の会だ。
知人は解禁と同時に週二回狩りに行って、主に鴨を撃っている。

ジビエのための狩猟に使う散弾の写真

狩猟に使う散弾
ジビエのための狩猟に使う散弾の写真
ジビエのための狩猟に使う散弾の写真
狩猟に使う散弾

 

ご自分の家庭でも食べているが、さすがに家族にも飽きられたようで、三ヶ月間、三十回に及ぶ猟の獲物は冷凍庫にたまっていく一方。
そこで知人を集めてのジビエ料理会を催すことになった。
今回はカモにシカ、イノシシの鍋である。

 

めったに食べられない珍味とあって、物珍しさも手伝って大勢の参加者が集まる。

集まった知人のひとりが一升瓶の久保田の千寿を抱えてくる。
猟と猟銃の話もそこそこに聞き流し、単なる大宴会になる。
全く失礼な話である。

 

だいたい野生の動物は臭みがあり痩せていて脂身も少ないため、スーパーで買う肉に比べてあまりうまいと感じられない。
それは我々の舌が家禽の味に慣れてしまったからなのだと思う。
魚でも養殖よりも天然がうまいと頭の中では思っているのだが、養殖に慣れ親しんだ舌はそうは反応しないのだ。

ある鰻の名店の主人が、「天然物の鰻はやせていて脂が少ない。みんな天然の方が脂が乗っていると思っているが間違い。脂が乗っているほうがうまいのではなく、天然のうまさがあり、それと脂のうまさは全く別物」と語っていたのを思い出す。

 

野生の物、天然の物は値段が高い。
うまくも感じないとなれば、これは大問題である。
なぜか。
つまり我々は安くてうまいと感じる養殖の物を食べさせられ、その結果、実は養殖されているのは我々なのかもしれないからだ。

ジビエ料理を食べながらそんなことを思ったりする。
そういう意味では貴重な体験かもしれない。