千代の富士お別れ会 両国国技館 10月1日(2016年)

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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10月1日(土)両国国技館において元横綱千代の富士のお別れ会が開かれ、黒のスーツを着て駆け付けた。

ここ数年大横綱の逝去が続く。
2013年に三十二回優勝の大鵬、15年に当時現役の理事長でもあった北の湖、そして16年、角界初の国民栄誉賞受賞の千代の富士が亡くなった。

 

小柄で精悍な顔つきと筋肉質の体から繰り出す大技が魅力で愛称はウルフ。

現役引退後は九重部屋を継承。
弟子の名前には皆「千代」がつく。
現在は千代の国、千代丸、千代大海、千代鳳の関取がいる。
師匠のお別れ会のため、紋付袴で来客たちを迎え入れ、静かに記念写真に納まっていたのが印象的。
お別れ会には人気力士らしくスポーツ、芸能、文化の各界からの献花がずらりと並ぶ。
国技館の土俵正面の遺影の下に国民栄誉賞も飾られていた。

 

三十分ほど並んだあと係員に従い菊の花をいただき献花して手を合わせる。

私はあまりこうした個人的な付き合いのない方の席に出席することはない。
思い起こすと高校生の時、築地本願寺で行われた三島由紀夫の葬儀以来である。

 

関係者はともかく一般弔問の客に喪服、もしくは黒い服装が多いのに正直驚いた。
翌日の新聞報道によると、一般弔問客五千人だったとか。
なかには本当に相撲ファンなのかなぁという方もいる。
もしかすると有名人の葬儀・告別式めぐりが趣味の方々かもしれない。

必須アイテムは喪服に数珠?
待ち時間の間にそんなことを考えてしまうのはまことに不謹慎のようだが、様子をうかがっているとそういう人たちがいるに違いないと確信した。

昔はそういった人のなかに香典泥棒なる輩もいたみたいだが。
さすがに最近はそういう話は聞かなくなった。

しかし人の死を悼んで弔問するというのは、さほど悪い趣味ではない。

とはいえ私にはそういう趣味はないが。

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千代の富士お別れ会