花菖蒲祭 堀切菖蒲園

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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この侯は「アヤメ花咲く」だが、アヤメのことを言っているのか、花菖蒲のことを言っているのかは疑問である。
アヤメ、アイリス、杜若の花の時期は終わっているから花菖蒲ということにしないとつじつまが合わない。

 

花菖蒲見物には堀切菖蒲園(ほりきりしょうぶえん)、水元(みずもと)公園(いずれも葛飾区・入場無料)が有名。

特に堀切菖蒲園は江戸時代から花菖蒲で有名だった。
浮世絵にも描かれており、その絵は絵ハガキとなって誇らしげに堀切菖蒲園で売られている。
その中に最も有名な尾形光琳のアヤメの作品がないのが不思議だったが、あとで調べて見て、作品名をもう一度よく見たら、なんと「杜若図」であった。

そうかカキツバタだったのか。
勝手に「菖蒲図」だとばかり思っていた。
思い込みとは恐ろしい。
国宝なのに。

 

堀切菖蒲園水元公園ともに、6月は「菖蒲祭り」が開かれ、週末は葛飾区を挙げてのイベントも多い。

ということで2016年、初めて堀切菖蒲園に行ってみた。

堀切菖蒲園駅の写真

堀切菖蒲園駅

堀切かつしか菖蒲まつりの写真

堀切菖蒲園・堀切かつしか菖蒲まつり

 住宅街の中にあり、小型のお屋敷の庭といった佇まいで想像していたより小さい。
しかし庭はよく手入れされており、天気も良かったせいもあり大変居心地がいいところだ。
菖蒲田には丹精込めて育てられたであろう花菖蒲たちにそれぞれ名前が付けられている。

もっともポピュラーな紺色というか紫色の花ばかりでなく、赤紫、白、黄色、うす紫、グラデーションになったものや二色の物などさまざま改良されているようだ。

堀切菖蒲園の花菖蒲の写真

堀切菖蒲園・花菖蒲

堀切菖蒲園の花菖蒲の写真


堀切菖蒲園には町を一緒に歩いて解説してくれるボランティアのガイドさんがいるので興味のある方はどうぞ。

 

侯に合わせてここに堀切菖蒲園のことを書いたが、実際行ったのは6月15日。
まだ「菖蒲華」の侯の前である。
6月20日には堀切菖蒲園の「菖蒲祭り」が終了しているが、あえてここに書かせていただいた次第である。

この時期まだ花菖蒲が見られるのは明治神宮内にある花菖蒲園だ。

こちらはうっそうとした境内の中に、谷のように広がった菖蒲田で育てられた花菖蒲が一面に広がるため、まるで山の中で突然隠れ里に出会ったような面白さがある。
堀切菖蒲園明治神宮の花菖蒲園、花に違いはあまりないが、雰囲気はまるで違う。

 

 片隅に菖蒲(あやめ)咲きたる門田かな  子規

 

この子規の句、門田(領主や豪農などの家の門の前にある田のこと)と言っているから、やっぱり花菖蒲のことなのだろう。

 

堀切菖蒲園の花菖蒲の写真