ツツジと皐月と五月

---------------------------------------------------------

新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

---------------------------------------------------------

 

夏五月は別名皐月・五月と書いてどちらもサツキと読む。

 

で、恥ずかしいことに私はサツキとツツジは同じものと思っていた。
ならばなぜ時期がずれているのかというところから疑問がおこり、別種だということを知った次第である。

 

違うのはほっておくとツツジは5m~10mの巨木になり、サツキはせいぜい1mほど。
花も葉もツツジより小さい。
ツツジは花が咲いてから新葉が出るが、サツキは新葉が出てから花が咲く。
ツツジの葉の裏は繊毛に覆われワッペンのように服につくが、サツキはつかない。

改良されて数百種類の花があるツツジに対して、サツキの花は主に鮮やかな赤一種である。

つつじ祭りの写真

ツツジ

大雑把に言うとそういうことらしい。

 

いやいやお恥ずかしい限りである。

とはいえ、両者はサツキツツジとして一緒くたにされている節があり、ツツジ園にサツキが植えられていることはあっても、サツキ園と銘打ってサツキしかないところは皆無。
これはサツキが旧暦五月の花であるにもかかわらず、漢字が五月(ごがつ)と書くため、ひと月早く新歴5月に咲くツツジと一緒にしちゃったというのが本音ではないだろうか。

五月(さつき)は五月(ごがつ)の花だから。
五月(ごがつ)に咲くツツジも五月(さつき)でいいじゃん的なノリだね。
まあ、説明するのも面倒というか混乱するし。このあたりが大変いいかげんというか日本的というか、正誤ではなく、楽しいほうを優先しちゃう中世神道を魂に持つ日本人のたくましさでもある。

 

 皐月咲く庭や岩根の黴(かび)ながら 太祇