旧暦七夕 阿佐ヶ谷七夕祭り(2017年)
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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江戸時代後期には、七夕用に笹売りが多かったそうで、どの家の軒先にも短冊を吊るした笹があったというから、そりゃあよく売れたに違いない。
七夕伝説では、働き者だった織女と牽牛が見合い結婚するとふたりは仲良すぎていつも離れず仕事をしなくなったので、怒った天帝は天の川をはさんで二度と会えないようにふたりをはなればなれにしてしまった。
会えなくなったふたりは泣いて暮らしたので、それを見た天帝が不憫に思い、年に一度七夕の日に会えるように計らったという。
七夕行事が始まった奈良時代には、宮廷の女官たちが織女のように裁縫がうまくなりたいという願いを込めて糸を供えたという。
それが庶民にまで広まったが、高価な糸を供えられないので代わりに紙を使ったという流れがあるようだ。
ではなぜ願いが叶うのか。
もともと笹は神事に用いる植物でまっすぐ伸び、伸びながらこすれあって音を出すことから、神に気付かれやすく願いが叶いやすいということらしい。
七夕飾りは陰陽五行説にならって五色の短冊に願い事を書いて笹に吊るして成就を願う。
恋愛や欲しいもの、習い事の上達などが多いが、江戸時代の末期ころになると圧倒的に「習字がうまくなりますように」だったという。
このことから書道が習い事のトップであったことがわかる。
七月のまたの名は文月、どうも習字との関わりが強い月のようでもある。
さて、七夕見物に阿佐ヶ谷の七夕祭り行ってきた。
昭和二十九年から始まって2017年で六十四回目。
ちょうど私の年齢と同じである。
名物は商店街アーケードに飾られるはりぼて飾り。
地元の幼稚園児や小学生も参加して人気アニメのキャラクターや名場面がはりぼてで作られる。
屋台も百軒ほど出るが、もともと商店街なので休憩場所や飲食場所には事欠かない。
雨天決行4日から8日まで。
笹の葉さらさら軒端にゆれるお星さまきらきらぎんぎん砂子
歌を口ずさみながら、平成の世の子供たちの願い事に想いを馳せてみる。