大宮八幡七夕乞巧奠(きっこうでん)飾り乞巧潜り 7月7日
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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7月7日は五節句の四番目にくる七夕である。
彦星と織媛が出逢うロマンチックな日であるが、もちろん天体は一か月前倒ししてくれないので形だけ。
とはいえ、一か月後だと、学校は夏休みに入っているので子供が集まらずイベントとしては盛り上がらない。
やはり子供がメインの節句ですからこれもまたありか。
学校や町内会、市区町村も夏のイベントとして短冊を集めて飾り付ける。
浴衣姿の小学生が集まってくれれば大成功となる。
しかし七夕が夏休み前であろうが後であろうが、平日だろうが律儀に7日に節句を執り行っているのが杉並区にある大宮八幡である。
緑豊な広い敷地内に大宮八幡はある。
入口に今回の七夕用にしつらえられた乞巧潜りがある。
これは中国から行事が伝わった際に受け継がれたもののようでほかではまず見ない。
似たものを探すとすれば茅の輪である。
年越しの祓や夏越しの祓の茅の輪である。
輪自体は似ているが、七夕らしく、赤青黄緑白の細長い布がカーテンのように垂れ下がり、飾られていることである。
その乞巧潜りの作法は実は茅の輪潜りと一緒なのである。
左に一回潜り、右に一回潜り、再び左に一回潜り、最後にまっすぐ潜って本殿に向かうのである。
夏の無病息災や健康を祈念するところも夏越しの神事とよく似ているから、こちらの方が元なのかもしれない。
境内に入ると大きな七夕飾りがある。
書かれている子供たちの願いはどれもかわいく、つましく、前向きである。
自由に願い事を書いて飾れるようにやはり五色の紙と筆ペンが用意されていたので早速一枚書いて飾った。
「いあいがじょうずになりますように たつや」
う~ん、子供のふりをして書いてはみたが、どうも胡散臭く見える。
境内で巫女さんが七夕乞巧奠(きっこうでん)飾りの説明をしてくれた。
竹に結び付けられた五色の布、赤い紙と白い紙で出来た人型、折り紙で作った鳥、梶の葉、なるほどこの飾りが現在の笹竹七夕飾りの原点のようである。
人型があるのも夏越しの神事と同じだ。
珍しい飾りなのでひとつ買い求めて家に飾ることにした。
夕方からは雅楽や巫女舞も披露される。