鶴岡八幡宮放生祭「ほたる祭り」

---------------------------------------------------------

新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

---------------------------------------------------------

 

源頼朝が鎌倉に幕府を開き、初代将軍となり関東に初めて武家政治の拠点が生まれた。以来関東は武士の国である。

 

江戸や東京がいくら繁栄しようとも関東の始まりは鎌倉であり、その誇りと格式はいささかも衰えることがない。
そのため現在も事業で成功して鎌倉に住むのが夢という方は多い。

 

その頼朝が信仰したのが八幡様であり、鎌倉に壮麗な鶴岡八幡宮を造営する。
以来800年経った今日に至るまで武家の信仰する神々の頂点にいるといっていい。

そんな鎌倉の象徴のひとつである鶴岡八幡宮に祀られているのは三人の八幡神である。
三人とは神道の女神である比売(ひめ)神と十四代天皇の妃と十五代天皇応神天皇である。

武士政権鎌倉幕府であったが皇室の血を引く源頼朝にとって鶴岡八幡宮は信仰とともに京都における内裏の役目も担う精神的支柱である。
年中行事で行われる流鏑馬放生会武家社会における重要な行事となり、今日に至っている。

 

梅雨の時期、鎌倉・鶴岡八幡宮で行われる蛍放生祭はゲンジボタル神職たちにより柳原神池に放つ祭事。

本来仏教の祭事であり、生き物を殺して食べている人間がこの日は命を奪わず捕らえた動物などを解き放つお盆の放生会と意味合いは同じである。
巫女たちの舞などの蛍放生祭は非公開だが、翌日から(6月12日から一週間)は「ほたる祭り」として柳原神池に放たれたゲンジボタルが一般公開される。

あまり普段は気にしないホタルの名だが、鎌倉鶴岡八幡宮で聞くと感慨深い。
ここではホタルですら名は源氏である。