ワカサギ

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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2月も中旬になってまだ食べていないと「早く食べなきゃ」と焦る好物がある。
ワカサギの天ぷらである。

 

ワカサギ漁法で有名なのが湖に厚く張った氷に穴を開けて釣る穴釣りで、この時期の風物詩にもなっている。

第三侯は「魚氷に上がる」である。
本来の意味は川底にいる魚が動き出す様子を意味するが、私にとってこの侯で目に浮かぶのは文字通り、氷上の穴釣りで釣りあげられたワカサギが氷の上で跳ねている姿である。

 

ワカサギを公魚と書くのは、江戸時代に麻生藩が霞ヶ浦で獲れたワカサギを年貢として公儀に納めて以来、公儀御用達の魚となったことに由来する。

太平洋岸で霞ケ浦以北北海道までと、日本海側で島根の洞爺湖以北に自然生息していたが明治時代に全国の湖などに放流されたため、現在では沖縄と伊豆・小笠原諸島を除いて全国で見られる。

寒冷を好み、この時期には大群をなして遡上し脂も乗っていて美味。
骨がかたいので小ぶりのものが好まれる。
水質の汚濁にも強く、水質検査でワカサギが住めるかどうかは大きなポイントである。逆にワカサギが棲めない河川湖沼はかなり問題アリと考えていいようだ。

 

この時期のワカサギの天ぷらやフライさえあれば、ほかには何も要らない。
いやあえてその日はほかの物は食べない。
年に一度の楽しみである。
じっくりワカサギを味わいたいからだ。
うん、燗酒がいつもよりうまい!

 

ワカサギのフリッターの写真

ワカサギのフリッター