天下一天狗道中 しもきた天狗祭 2月1日(2020年)
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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下北沢駅周辺で天狗や大天狗面をはじめ烏天狗や山伏、福男・福女たちの行列が商店街を練り歩き
節分の福豆も配るこの祭りは、下北沢にある曹洞宗大雄山真龍寺に天狗を祀っていることから始まった。
同寺では天狗絵馬があるほか、高下駄や法螺貝のストラップなどグッズも楽しい。
毎年2月3日に行われていたが、今年は土曜の1日に繰り上げられた。
午後一時、裃を身にまとった男女が駅前特設広場に集まった。
世田谷区内各所のお偉方の祝辞などの後、いよいよ天狗道中の開始。
烏天狗、天狗様に太鼓方、そして福豆を枡に入れて手に持った善男善女たちが続いておしゃれな商店街を二時間余り練り歩き、豆をまいていく。
行列の後には豆を求める人々が続く。
幸い天候もよく、皆さん楽しそう。
2020年は第八十八回目の道中である。
天狗は修験道山伏の姿をしており、知恵を司るといわれる反面、「天狗になる」「鼻っ柱が強い」などその大きくて長い鼻から端を発した慣用句には批判めいたニュアンスが多いが、あくまで人間に対するものである。
天狗様の傲慢とも見える威風は絶対的な自信からであり、人間とはレベルが違うのである。
その天狗様に扮した人間は一本歯の高下駄に四苦八苦しながらお付きの方の肩を借りて歩いていたが、その様子が花魁道中の時の花魁が重い衣装と外八文字歩きにバランスを崩しそうになるのをやはりお付きの男衆の肩を借りて歩いていた姿と重なってほほえましくもある。
一時間ほど道中に付き合いながら下北の町をのぞいて歩く。
下北沢といえば若者の街であり演劇の街として知られる。
本多劇場をはじめとしてミニ劇場も多い。
やはり街には若者がいて文化があってこそ活気を生むものなのだとつくづく実感した次第である。