夏越の祓(なごしのはらえ)・一年のへそ 東京大神宮夏越の祓・鶴岡八幡宮大祓 6月30日(2019年)

 

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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一年のちょうど半分にあたる6月30日を一年のへそと呼ぶらしい。
そして本格的に暑くなる前に行われる神事が夏越の祓である。

 

12月31日に行われる年越の祓・大祓と対をなす半年に一度の穢れ落としである。

暑さを乗り切れますようにという願かけのようなもので、近年の殺人的な夏の暑さを考えれば和楽の行事を通り越して、夏越しは命がけになってしまった。
ここは本気で神様におすがりしたいところである。

 

この時期神社には大きな茅の輪が設けられる。

東京大神宮の茅の輪の写真

東京大神宮・茅の輪


その輪を前におじぎをしてから左足からまたいで左回りに回ってもとの位置に戻り、右足からまたいで右回りに回ってもとの位置に戻り、再び、同様に左に回ってもとの位置に戻り、左足から輪をまたいで本殿に進み一礼してから二拝二拍手一礼する。 

東京大神宮の二拝二拍手一礼の看板の写真


くぐっている最中にとなえことば「はらいたまえ、きよめたまえ、まもりたまえ、さきはえたまえ」と唱える。
というのが茅の輪くぐりの作法である。

丁寧な神社では紙を切って作った人形代(ひとかたしろ)に名前や生年月日、年齢を書き体にこすりつけてから息を吹きかけて人形に穢れを移して川に流して身代りに穢れを祓うといったことも行われる。

 

2019年はまず東京大神宮の夏越しの祓に行ってみた。

東京大神宮の写真

東京大神宮

東京大神宮の写真

東京大神宮の夏越の祓のポスターの写真


若い女性に人気の神社である。
鳥居を抜けるとすぐ青々とした茅の輪が現れる。

東京都港区の茅の輪の写真

東京都港区・茅の輪

外国人観光客のお嬢さんたちだろうか、茅の輪くぐりの作法がよくわからず、ほかの参拝客の様子を何度も見てから意を決したように茅の輪くぐりにチャレンジしている様子がほほえましい。

境内では巫女さん姿の女性が参拝客にお饅頭と麦茶をふるまっていた。
さすがに女性の心をぐっとつかむ演出である。

帰り際、出口近くに次の行事の出番を待っているのか、七夕飾りがひっそりと置かれていた。

東京大神宮の七夕飾りの写真

東京大神宮・七夕飾り

 

続いて、鎌倉に移動して鶴岡八幡宮の夏越の祓を見に行く。

こちらの名称は単に「大祓」である。
青々とした茅の輪は東京大神宮と同じだが、本殿や境内を演出しているのは主に七夕飾りである五色の吹き流しである。

大勢の方が並んで神主さんの指導のもと先の祝詞(のりと)を唱えている。
ただし、こちらは有料である。

鶴岡八幡宮では鳩の形をしたお札(おふだ)で知られる。
鎌倉駅に向かう仲見世通りのあちこちのお菓子屋さんで「鳩サブレ」が売られている。
子供のころは頂き物で食べていた記憶が懐かしいが、ここではまだまだ現役バリバリの鶴岡八幡土産である。

 

2019年6月30日、私は心のなかで声を張り上げた。

「茅の輪くぐりも完ぺきにこなしたわけで、さーて夏を乗り切るぞ! オーッ‼!」