年越し蕎麦・除夜釜

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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毎年末、風呂に浸かった後の夕食には年越しそばをゆでる。

 

年末の寒い夜であるから温かいそばに天ぷらなどもいいが、なぜか我が家の年越し蕎麦はいつもざるそばである。

年越しそば

年越しそば



年越しそばで特別なのは本ワサビをサメ皮ですり下ろすという贅沢をすることくらい。そばよりワサビのほうがずっと高価なのだ。

 

わさび

わさび

年末年始に大活躍するサメ皮の下ろしだが、聞くところによるとサメ皮と言って売っている物はたいがいエイなのだそうだ。
時計のバンド、刀の柄や鞘に巻いた物、サメ皮下ししかりである。

エイに比べてサメ皮は高い。
加工するのにエイより手間がかかるのか、まさか需要と供給の関係で売り手市場なのか?
理由はわからない。

ただサメ皮で本わさびを下ろすと驚くくらいクリーミーにすり上がる。
時間はかかるが。

 

軽い食事の後には一年最後の除夜釜である。

夕食後、除夜の鐘の間に一年を振り返る茶を点てるから除夜釜。
火は消さず翌元旦の大福茶に使う。
というのが本来の除夜釜だろうが、現代社会、なおかつマンションではそうはいかない。
マンションでは炭火は使えないので電器製の釜、ただ点けておいても電気代の無駄。
お茶が終わればさっさと消して大福茶のときにまた点けるのみである。

 宵寝して年越し蕎麦に起さるる 秋桜