深川祭(水掛け祭)8月12日(2018年)

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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毎年8月15日前後に行われる深川・富岡八幡宮江東区)の例祭は江戸三大祭のひとつで深川八幡祭、深川祭と呼ばれる。

深川祭の写真

深川祭の写真

深川祭

「神輿深川、山車神田、ただっ広いが山王様」と評される江戸三大祭には浅草神社三社祭が入っていない。
逆に東京三大祭にはここ深川祭が入らない。
人気の三社、伝統の深川といったところ。

 

伝統を感じさせることのひとつに富岡八幡宮は江戸勧進相撲の発祥の地で、かつては本場所も開催された相撲の聖地だということがある。

江戸時代の名力士小野川や雷電為右エ門ゆかりの碑が立つ。
また、新横綱稀勢の里が誕生した同年6月9日に刻名式の名で奉納土俵入りが行われた。
横綱が力士碑に自らの名を刻む行事である。

 

深川八幡の社神輿はダイヤなど宝石をちりばめた日本最大で総重量は4・5t、まさに千貫神輿である。

深川祭の神輿の写真

深川祭・千貫神輿

当時十億円の価値があるといわれた神輿であるが担ぐのに通常の神輿の何倍もの人力が必要な大神輿である。

深川祭の神輿の写真

2017年に境内で宮司殺傷沙汰があったため2018年の開催が危ぶまれたが無事8月12日深川祭最大の見物である神輿宮入りと水掛けが行われることになった。
この大神輿への大量の水掛けがあるのため深川祭の別名が水掛け祭りと呼ばれる。

 

神輿が深川をぐるりと回り永代橋を渡って富岡八幡宮に向かうのが午後四時頃である。

近くの深川不動盂蘭盆会も重なり、道路の両脇はもう見物人でいっぱいである。

深川祭の写真

深川祭の写真

深川祭の写真

 

神輿を先導する一団のあと千貫神輿の登場である。

深川祭の千貫神輿の写真


そこに道路に用意された水が文字通りぶちまけられる。

深川祭の水掛けの写真

深川祭の水掛けの写真


すごい勢いで水が飛び散り我々にも掛かる。
しかし怒る者などいない。
主催者側の注意事項にも「濡れてもいい恰好でおいでください」とある。

私はというと、氏子でもないのに水をたっぷり掛けていただいて、ありがとう! である。
なぜかうれしい。

神輿のあとをついて見物客も歩いていくが、担ぎ手や氏子の皆さんは全身ずぶぬれである。

 

そしていよいよ道路を曲がり富岡八幡に入る。
が、なかなか入らない。
いや、入れないのだ。
神輿が重すぎるのか、曲がることすら大仕事のようだ。

そこへ今度は消防車のホースのようなもので追い打ちをかけるようにものすごい勢いの水が掛けられていく。
すごい!

ようやく曲がって神社内に入ると、そこは待ちうけた人々で埋め尽くされている。

深川祭の写真


神輿を動かすことがこんなに大事業であるとは思いもしなかった。
皆さんはよく知っているようで担ぎ手が渾身の力で神輿を持ち上げると一斉に歓声が上がるほどである。

 

神輿を尻目にお参りしたくともあまりの人出で身動きできないので省略して、次のお楽しみに深川名物・深川飯、ぶっかけをいただく。
いわゆる浅利飯で素朴な食事である。

深川めしの写真

深川めし

食事のあとは盂蘭盆会の法要が行われている深川不動へ。

深川不動成田山新勝寺の本尊、不動明王を江戸で公開し大評判になった。
その後も成田山に行かなくてもお参りできる寺として江戸っ子の人気スポットになった。
ついでにここでは四国八十八か所の巡礼も三分で達成できるお手軽さ。
しかし達成感はあるかどうかは別にして御利益は本家と一緒とのこと。

深川不動の仏像の写真

深川不動の弥勒菩薩の写真

深川不動の大日如来の写真


御本尊の不動明王一万体(数センチの物)をクリスタルの容器に入れて祀っている回廊があり、これはこれで壮観である。

深川不動の祈りの回廊の写真

深川不動・祈りの回廊

深川不動の祈りの回廊の写真