八朔 八朔釜 8月1日

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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八朔とは八月の朔日、一日のこと。

雑節のひとつ。

 

家康が江戸入りした日が八朔であったため、その後もこの日に白帷子(しろかたびら)を着て家康に挨拶するようになったのだそうだ。

江戸時代になると吉原の花魁も武家の白帷子にあやかって白の着物を着てお世話になっている方々に挨拶に行ったという。

 

お茶の世界でも千家ではこの日には千家十職と呼ばれる出入りの職人さんたちがそろって挨拶に家元のもとを訪れたという。

なぜ白の着物を着たのかはよく分かっていないが、旧暦八月が季節でいうと秋で秋の色は白、白秋である。
北原白秋の名はここから取られた。
秋のなかには白露という節気もあり白とは縁があるという説もある。

 

和菓子屋さんでは八朔にちなんで白帷子というお菓子もある。
小豆餡を薄いういろうで挟んだもので透けた白が涼やかである。

ほかにも八朔粟餅(はっさくあわもち)という粟の粒を残して炊いた餅に黒糖の餡で包んだものがある。
八朔粟餅は伊勢の赤福で八朔のこの日限定発売という。

 

八朔釜は挨拶を受けた後、豊穣祈念の茶を点てることである。