怪談
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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胆試しやお化け屋敷は突然現れることで驚かすショッカーとしての役割だけになり、学校の怪談、トイレの花子さん、口裂け女は都市伝説が主体である。
貞子同様怖いのはやはり人間であることを踏まえると、実はまだまだ怖いお話は日本にある。
しかもなぜか女性が怖い。
それが「四谷怪談」のお岩、「番町皿屋敷」のお菊、「累ヶ淵」の累(るい・かさね)の三人の幽霊である。
男にだまされ毒を飲まされて醜く顔がただれて殺されたお岩さん、主人の大事な皿を割ったと責められひどく折檻されたすえ自殺したお菊さん、醜い姿を嫌悪した父親から殺され棄てられた累。
女性の怨念が成仏しきれずに恨みをぶつける物語は講談や落語で語られても怖い。
中でも有名なのが歌舞伎「東海道四谷怪談」で有名になったお岩さんで、畏敬を集め四谷三丁目にある陽運寺に立像がある。
厄除けや芸能ごとに御利益があるとされるほか、芝居やTV、出版で怪談やお岩さんを扱う場合、関係者は必ずお参りする。
しなかった場合、撮ったはずのフィルムが写っていない、印刷機が止まる、関係者がけがをするなど、いろんな祟りがあると業界ではささやかれているのである。
私は常々日本の怪談は世界一怖いと思っているが、これらはある意味貞子の原型だといっていい。
長い間日本の怪談が培った怖さのノウハウが貞子に込められているのである。
だから貞子の「リング」は最恐ホラーとして世界中を絶叫させたのだと思う。
怪談は話術が物いう世界である。
この怪談という最も古典的な手法は人間の想像力をかきたて、ある意味聞き手の最も怖い恐怖体験と結び、恐怖を増殖させるのである。
夏の演芸場や寄席で演目が掛かることが多くなるのでこういう時代だからこそ一度聞きに行ってほしい。
ほかにお勧め怪談としては「怪談牡丹燈籠」「耳なし芳一」「雪女」である。
ええ、なんと、興味ない?
あら、うらめしや~。