月島草市 7月6・7日(2019年)

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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お盆用品や鬼灯などを売る百五十の露店が並んだことから草市の名がついたのだろうか。

月島草市の写真

月島草市

お盆に飾る藁で作った馬や牛、提灯などを思い描いて出かけて行ったが、あらららら?
そんな草でできた仏教めいたものはどこにも見当たらない。

 

すごい数の屋台が並んではいるものの、そこは金魚すくいや型抜き、たこ焼きに射的、スマートボールすくいといった定番の夏祭りの様相である。
だからと言って、ビールや串焼きといった大人の定番の屋台はほとんど見当たらない。あたりは浴衣姿の小中学生ばかりである。

確かにこの地域は再開発によってタワマンが建ち並び、下町好きの若い家族が増えているのだろう。

しかしなんともまぁ健康的で、それはそれで結構なのだが、草市の由来となったお盆用品が全くないのには驚いた。
ここが月島草市であることの名残りを示すのは、あちこちに貼られたポスターによってである。

月島草市のポスターの写真

 

まぁこっちの勝手な思い込みで落ち込んでいても始まらない。
月島といえば、なんといっても庶民のおやつ、もんじゃ焼きである。

祭りは商店街の道路を通行止めにして道路の両脇いっぱいに屋台を並べてはいるが、その道路の両脇には老舗から新興勢力に至るまでもんじゃ焼き屋が数十件と並ぶ、名物もんじゃストリートであることに変わりがない。

月島草市の写真

もんじゃストリートの地図の写真


で、さっそくもんじゃ焼きを食べに店を物色して入ってみる。

月島のもんじゃ焼き屋の写真


しかしここでまた驚いた。

 

先にも書いたがもんじゃ焼きは庶民や子供のおやつである。
学校帰り、部活帰りの小中学生がお小遣いで食べるものだ。
もんじゃ焼きのほかにお好み焼きがメニューにある店が多いが、たいていもんじゃはお好み焼きの7割か6割の安い値段、そりゃそうだ、具がキャベツと薄い小麦粉の汁しかないのだから。

それがここもんじゃの総本山・月島ではメニューのほとんどが千円以上する。
平均は大体千五百円である。

月島のもんじゃ焼きの写真

月島のもんじゃ焼き


しかも、もんじゃでもお好み焼きでも同じ値段である。
もちろんもんじゃの中身の具は違うだろうが、これではとても子供が学校帰りにちょっと食べていこうという値段ではない。

月島ブランドのもんじゃの威力はすごい。
それでもどこのお店も客でいっぱいである。
そこではたと思い当って膝を打った。
月島草市の屋台に大人向けが極端に少ないのは、「大人は屋台ではなく、もんじゃ焼き屋にどうぞ。お酒も取り揃えてますよ」ということなのだろう。

草市といえども、主役はもんじゃ焼きなのかもしれない。 

月島のもんじゃ焼きの写真

月島のもんじゃ焼きの写真