梅干し作り
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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二十七侯は「梅の実黄なり」である。
この書きっぷりは、待ちに待ったという感がある。
梅の実が黄色くなったということは梅干しを作ってもいい頃ということである。
梅は蕾を愛でて良し、梅見に良し、匂い良し、梅酒にして良し、そして梅干しにして最高のおかずとなるという一年に何度も楽しめる逸材である。
日本人にとって梅干しは特殊な食材である。
何といってもご飯に合う。
絶妙の取り合わせ、ベストマッチなのだ。
不動のおにぎり人気ナンバー1でもある。
鮭や昆布、おかかもおにぎりに合うが、残念ながら江戸時代以前の内陸部や山間部では手に入らなかっただろうから、どこでも手に入る梅干しは大切な大切な食材であったろうことは想像に難くない。
最初に収穫するのは小粒のカリカリ小梅干し用だ。
ぎりぎり大きくなるのを待つのもいいし、中型を蜂蜜漬梅干し、紫蘇梅干しなどにする。
食いしん坊はいろいろ味わいたい。
お茶漬け用、おむすび用、お湯割り梅焼酎用は必須だ。
梅は塩漬けにしたあと、立秋前の夏土用の晴れ間を見計らって三日ほど天日で干せば出来上がり。
梅雨のシーズンなので雨に降られないように見張りが大変。
濡れるとかびてしまうからだ。
降ってきたらすぐに家の中での陰干しになるが、やはり天日が大事。
梅干し作りは気が気でない。
なんだかんだで一か月以上かかる。
完成するのは7月下旬かな。
ちなみに赤い梅干しができるのは紫蘇と一緒に塩漬けにされるから。
あ、お茶受けにも最高。
一日一個食べるとしてひとりの年間消費量が約三百個。
これは気張って作らないとね。
しかし、一粒ごとに丁寧に包装された一個五百円もする超高級梅干し、あれはさすがに匠の技。
我々には真似はできない。
塩漬けの小梅噛みつつ冷酒かな 徳川夢声
梅干しの深紅を芯に握り飯 中嶋秀子