愛鳥週間・バードウィーク 5月10日~16日 水元公園

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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「夏ホトトギス」とは道元の言葉。
夏は鳥の季節なのだ。

 

旧暦の夏に愛鳥週間とくれば、やはり野鳥が見たくなる。
とはいってもコンクリートジャングル東京ではかなりの難問である。
ところが水元公園カワセミが見ることができると聞いてさすがに驚いた。

 

カワセミ翡翠(ひすい)とも書く、宝石のように青色が美しい鳥である。

山間の池や川にダイビングし小魚やエビ、虫を捕る。
山水画などにも描かれているのはよく見るが、まさか東京で実物に会えるとは。

これは行かないわけにはいくまい。
ここは一眼レフカメラに望遠は必須である。

水元公園の池の写真

水元公園

 歩き回ること一時間ほど、木々に囲まれた池の中ほどに打ち込まれた杭にカワセミが止まりあたりを見回している。
まさに感動の瞬間である。

 

 

 

水元公園の池の写真

水の中の木の上にカワセミが止まる、かも

 

と書きたいところだが世の中そう甘くない。
一時間待ったくらいで見られるほどカワセミは安くない。

 

結局三時間待ってもカワセミのヵの字も見られない。

 

 

水元公園の池の写真

 

まぁそうだろうなと思いあきらめて、池の近くにある施設「水元かわせみの里」に立ち寄り、カワセミの標本や写真などを見て回る。

マチュアの方だろうか、飾られている、カワセミの瞬間瞬間を捉えた見事な作品を見て、こりゃぁ、何百、何千時間と費やしてやっと撮れた写真なんだろうなと、見入ると同時に我が不明を恥じた次第である。
この施設では雨天でも水辺の野鳥の観察ができるようになっているのだ。

 

しかし水元公園は広い。

家族連れで手ぶらで楽しめるバーベキュー蟹場やキャンプ場もあり、ここが東京二十三区であることが信じられないくらいである。
水元公園にはカワセミのほかにも川鵜、青鷺、カルガモたちに会えるかもしれないので、一日のんびり過ごすにはおすすめである。

 

家に戻って床の間の軸を夏用に替える。
雪洲の翡翠図に漢詩が書かれたもの。
雪舟ではなく雪洲。
私は作者を存じ上げない。
しかしカワセミはいい。

愛鳥週間には十万羽の雉が放鳥されるという。
国鳥で減少傾向にあり低懸念種だという。
なのに十万羽!

これは多いのか少ないのか? 

 

そういえば、雉もホトトギスも実物を見た記憶がない。
今度は動物園に行ってみるか。

 

 翡翠や露の青空映りそむ 波郷