節分・豆まき・恵方巻 雑司ヶ谷鬼子母神 2月3日
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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旧暦において一年の始まりが立春であるとすれば、その前日の節分は大晦日といったところか。
節分の行事といえば豆まきである。
テレビのニュースで必ず取り上げられるのは成田山新勝寺で、初場所の優勝力士や横綱、年男・年女の人気タレントが豆をまき、多くの人を集める。
この豆まきはさしずめ鬼に見立てた穢れや厄を追い払い、新年を迎えるためのお祓いといったところ。
かつては豆をそのまままいていたと思われるが、それでは道に落ちたものは食べられずロスが大きい。
掃除も大変。
そのため近年では、少量ずつビニール袋でパッケージされた豆をまく。
平日なので子供たちが学校から帰ってからでも参加しやすいように午後三時過ぎから行われる。
境内に豆まき台をしつらえ紅白の段幕を張ってある。
ゲストの豊島区市長や歌手、スポーツ選手らとともに裃をつけた年男年女の氏子が台上から「鬼はー外、福はー内」の掛け声とともに袋詰めの豆や菓子を投げる鬼打ちが始まると、慣れた参加者たちはあっという間に何十もの豆袋をゲットしていた。
私は人混みに身動きできず、ただうろうろするばかりで何とかふたつ手に入れただけ。
何にでもプロまがいの者はいるものだと感心する。
家に戻ってから玄関に豆がらと柊の枝に赤鰯の頭を刺し邪気除けの飾りとし、手に入れた豆を家の外に向かって「鬼は外」とまき、家の内側に向かって「福は内」とまく。
鬼役はたいがい家のお父さんの役。
悪役だがこんなときくらいしか役に立たないのも事実である。
豆まきがおわり、福豆を食べながら大福茶を飲む。
歳の数だけ福豆を食べるなんていうのは小学生まで。
この年齢で歳の数を食べたらお腹を壊すこと確実である。
そんなことになったら毎年楽しみの恵方巻が食べられなくなる。
その恵方巻だが、近年ますます盛んになっている気がする。
スーパーマーケットや百貨店はもとよりコンビニでも予約販売をしている。
はじめは単なる太巻き寿司だったが、どんどん豪華になり太くなった。
中身も海鮮や鰻、とんかつなどヴァラエティー豊かだ。
店頭販売寿司店や惣菜店も人気にあやかって商戦に参加しているから、2月3日の商店街は恵方巻一色になる。
私は食いしん坊な上に寿司好きなので、数種類食べたい。
そんなこちらのお腹と懐具合を見透かしたように短めの巻き物も売っているので助かっている次第である。
そんなこんなで手に入れた恵方巻を今年の恵方である南南東に向いて丸かぶりする。
来年一年良い年でありますように。
節分や家(や)ぬちかがやく夜半の月 秋桜子