初地蔵 巣鴨とげぬき地蔵 1月24日
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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。
本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。
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毎年1月24日は初地蔵である。
この日のお目当ては、ここでしか手に入らないお札である「御影(みかげ)」をいただくことである。
痛いところに張ると痛みが取れ、悪いものを食べてしまったらお札を飲むと一緒に吐き出すといわれる優れモノだ。
「お札を飲むのは大変そう」と思う向きもあると思うが、お地蔵さんが描かれた長さ4cm、幅1・5cmの薄い紙なのでご安心を。
御影のお札が五枚一セットになっていてわずか百円である。
これはいただかずにはなるまい。
地蔵とは地蔵菩薩のことで釈迦入滅後、弥勒菩薩が五億七千六百万年後に現れるとされるまでの途方もない年月の間、世の中を守るとされている菩薩である。
つまり釈迦亡きあとはこの世のことは地蔵に丸投げされたようなものである。
そんな地蔵は笠地蔵の昔話に見られるように日本ではほのぼのとした道祖神的なイメージが強く、慈愛に満ちた子供の守り神とされているため、お菓子が供えられることが多いとか。
とげぬき地蔵はJR巣鴨駅と都電荒川線の庚申塚(こうしんづか)を結ぶ巣鴨地蔵商店街にある。
この商店街がおばあちゃんの原宿である。
おまんじゅう店やお茶屋さん、さまざまな屋台やお土産物店に交じって、かの有名な赤パンツの店が点在して存在感を強めている。
日本広しといえども真赤なパンツを、しかも女性物(と思われる)を店先に並べ吊るしている観光地はここしかあるまい。
気づくのが土産物や食事どころの値段が安いこと。
本当にここは東京のど真ん中の観光地なのだろうかと思うほど物価が安い。
お年寄りの懐に優しい街だが、もうひとつ、店員さんは客層(推定八十五歳)に比べてべらぼうに若いのだが、耳の遠いお客さんに考慮してか声がでかい。
「あのね、このおまんじゅうは今日中に食べてね。こっちのは明日まで大丈夫だから。わかった?」
店員さんが顔を覗き込むように大きな声で、親切に説明したのは私にであった。
商店街の巣鴨駅寄りの入口にもうひとつ、巨大なお地蔵様を祀ったお寺がある。
こちらは江戸六地蔵尊のひとつと言われる真性寺のお地蔵さんである。
紛らわしいが、お地蔵さんを二つお参りできてお得な感じがする。
商店街から少し外れたところに四谷怪談で有名なお岩さんの墓がある妙行(みょうぎょう)寺、遠山の金さんや剣豪千葉周作の墓、囲碁の歴代本因坊の墓がある本妙寺もあるので興味のある方は是非お参りを。