新富座こども歌舞伎 11月3日(2017年)

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新型コロナウイルスによる感染拡大によりほとんどの祭やイベントが中止になり、緊急事態宣言解除後も密を避けるために、また準備不足などで秋までは中止の続く日々が続きそうです。

本ブログも一時中止していましたが、過去の祭やイベントを掲載することで気分だけでも東京の江戸情緒や楽しさを味わっていただけたらと思います。

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毎年11月3日に銀座のど真ん中にある公立小学校として有名な泰明小学校で行われているのが、新富座こども歌舞伎である。

場所柄歌舞伎座にも近く、歌舞伎が親しまれていることと、歌舞伎関係の職人の方々も多く住んでいるからなのか、とにかく小学生が本格的に歌舞伎を演じるという、そのことだけで異彩を放っている催しである。

2015年は河竹黙阿弥の人気作「三人吉三巴の白波」と「白波五人男」を上演。
観客から「新富座!」の掛け声までかかるほどの名演技を見せた。
入場無料。

 

2017年の出し物は「元禄花見踊」と「菅原伝授手習鑑 吉田社頭(とう)車引(くるまびき)の場」。
この日は見事な秋晴れ。

有楽町駅前から歩くこと数分、会場の小学校前には関係者の大人たちがたくさん集まっている。
校庭にしつらえた舞台の前の椅子に腰かけて待っていると子供の役者や鳴り物の奏者たちがお練りを開始。口上に続いていよいよ開演。
踊りも歌舞伎も立派な出来で思わずうなる。

ゲストで来ていた中村扇雀丈も挨拶で感心していたが、「すぐにでもスカウトしたいが残念なことに皆さん女の子なので…」の言葉に二度びっくり。
そうか女の子だったのか。全く気付かなかった。

 

最後に子供たちが並び、おえらいさんの長々とした売り込みめいた挨拶の最中、ひとりの出演者の子供が具合が悪くなった。
それでも挨拶を続ける無神経さにまたびっくり。

出演する子供たちの数に比べて、あまりにも多い関係者の数とこの様子を見ると、純真な子どもを利用している感があり心地よくない。

この公演のあと会場となった泰明小学校が全国的に注目を浴びることになる。
そう、例のアルマーニ制服である。
この騒ぎもこども歌舞伎同様、子供不在の大人の狂騒曲である。

 

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新富座子供歌舞伎